ISO ― 最初にやるべきこと
最初にやるべきことは「マネジメントシステムを正しく理解すること」
ISO9001やISO14001などのマネジメントシステムを構築し,認証を取得する際に,最初にやるべきことは「マネジメントシステム」を正しく理解することです。
「マネジメントシステム」が何かを理解せず,「要求事項をひとつずつクリアすれば良い」なんて考えているとたいてい失敗します。
もちろんあれこれ悩みながら構築を進めていくうちに少しずつ理解は深まっていきます。
でも,山登りと同じで,あらかじめ目星を付けずに闇雲に進んで行っては,道に迷ってどんどん深みにはまって行ったり,突然断崖絶壁に出くわしたり,知らないうちににっちもさっちも行かない状況に陥ってしまうのです。
マネジメントシステムも,いったん間違ったシステムができてしまうとそれを修正するのはとても大変です。
もちろんどんなシステムでも改善や修正は必要ですが,根本を間違ってしまうとそれを正しい道に戻すのは容易ではありません。
ポイントを押さえればOK!完璧な理解は不要
とは言っても「マネジメントシステムとは何か」を完璧に理解することまでは必要ありません。というか完璧に理解することなんてできるのでしょうか?
それはともかく「マネジメントシステムってこんな感じかな」というポイントを押さえておけば大丈夫です。感覚的に理解できていればOKです!
ISOでは「マネジメントシステム」の定義がちゃんと定められており,それが正解なのですが,ちょっと(いやかなり)難解な言葉で書かれていて,混乱を招くといけませんからここでは説明しませんし引用もしません。でも正式な定義なので後で必ず見ておいてくださいね(ISO9000やISO14001などに書かれています)。
マネジメントシステムを理解するためのポイント
マネジメントシステムを理解するためのポイントはいくつかありますが,とりあえず「マネジメントシステムは会社を運営(経営)するための仕組み,ルールである」と考えましょう。
どんな会社にも役割分担や仕事のやり方といった,その会社を運営していくための仕組みやルールがあります。そして財務や人事労務,設備などの会社が成り立つための要素(経営課題)があります。
会社をちゃんと運営していくためには,これらをきちんと決めて適切に運営していく必要があります。その「会社をちゃんと運営していくために必要な仕組みやルール」がマネジメントシステムだと思ってください。
マネジメントシステムはどんな会社にもある
皆さんの会社がまがりなりにも今現在存続しているということは,とりあえずちゃんと運営されているからであり,それは「会社をちゃんと運営していくために必要な仕組みやルール」が存在するからなのです。
でなきゃ皆がやりたいようにやってしまって,収拾がつかなくなってしまいますよね。
ということはつまり,マネジメントシステムは別に特別なものでもなんでもなくて「どんな会社にもある」ということです。
でも,その「マネジメントシステム」の出来は様々で,うまくいっているところもあれば,うまくいかずにいろいろな問題を抱えているところもあります。
会社がうまくいくための要素はいろいろありますが,まずは「マネジメントシステム」がちゃんとしていなければなりません。
「マネジメントシステム」がちゃんとしている会社は,様々な経営課題を適切に取り扱うことができるしいろいろな状況にも正しく対応できています。
もし,様々な経営課題を適切に取り扱い,いろいろな状況に正しく対応できる「マネジメントシステムのお手本」があったらいいなと思いませんか?
そうです。ISO9001やISO14001などは「マネジメントシステムのお手本」なのです!
これを頭に入れることが「最初にやるべきこと」なのです。
これさえ忘れなければ少なくとも間違ったマネジメントシステムができてしまうことはないでしょう。
次回はこの「マネジメントシステムのお手本」についてお話します。