正しいISOマネジメントシステムを伝えるブログになる予定です

このブログについて

 
  2020/09/26

“Sustainable Management Systems”とは

「サステナブル マネジメント システムズ」と呼んでください。

直訳すると「持続可能なマネジメントシステム(複数形)」になります。

最近は“SDGs(エス・ディー・ジーズ)”という言葉をよく目にしますが,これは“Sustainable Development Goals”の略で,国連加盟国が2016年からの15年間で達成するための17の「持続可能な開発目標」のことです。

「持続可能な開発目標」とは1980年代に考え出された「環境と開発を相反するものととらえるのではなく,互いに共存し得るものと捉える」考え方で,環境マネジメントシステムISO14001が生まれたのもこの考え方に基づいたものなのです。

ISOをやめたい?

一方,世間ではISO14001やISO9001等のISOマネジメントシステム規格を構築し認証を取ったものの,ほとんどメリットもなく手間とお金がかかるばかりで「もうやめたい!」と思っている会社が時々見受けられます。

しかし本来ISOマネジメントシステム規格は,環境,品質,情報セキュリティ,労働安全衛生といった「経営課題」を適切にマネジメントして会社をより良い方向へ導くためのものなのです。

もし,「ほとんどメリットもなく手間とお金がかかるばかり」であれば,それはどこかで何かを間違って,ISOが意図したものとは違うマネジメントシステムができてしまっているからなのです。

正しいISOを伝えたい=続けられるISOに

私はそのような会社をたくさん見てきました。そしてそれは「正しいISOマネジメントシステム」ではなく「間違ったもの」であることを伝えなければならないと思いました。

そこで「正しいISOマネジメントシステム」を伝えるためにこのブログを起ち上げ「もうやめたい!」を「もっと続けたい!」に変えていこうと思いました。

そしてISOマネジメントシステムを正しく構築し運用することで,未来に向かって「持続可能」な会社になって欲しいとの思いから,”Sustainable Development“にあやかって”Sustainable Management Systems“(持続可能なマネジメントシステム)と名付けました。

複数形なのは,今後ISO14001 やISO9001をはじめとするいろいろなISOマネジメントシステム規格を取り扱っていくつもりだからです。

ですからこのブログは,ISOに取り組む担当者や事務局の方はもちろんですが,ぜひ経営者の方にも読んでもらいたいと思っています。

そしてISOを上手に使って「持続可能」な会社経営を行って欲しいと思っています。

マネジメントシステムを運用して会社を経営するのはISO事務局ではなく経営者なのですから。

なぜISOは評判が悪いのか

さて,繰り返しになりますが巷では「ISOは役に立たない」「ISOはやってもムダ」「ISOはUSOだ」などという話が聞かれます。

でも、そんなことはありません。ISOは本当にすばらしいものなのです。

上記のような声が聞こえてくる会社では必ずといってよいほど「間違ったISO」が運用されています。

ISOの委員は世界各国から集まったエリートたちで、ISOの規格はその人たちが侃々諤々意見を戦わせて作り上げたものなのです。ですからできあがったものは100点満点ではないにしてもそれなりに素晴らしいものになっているのです。

しかしその規格を利用する人たちが、中身を理解しないまま、または間違った理解のままだと、本来ISOの委員たちが考えたものとは違うものができてしまいます。

そうなってしまうとそれは当然のことながら「役に立たない」ものになってしまいます。

実際,ISOの審査員の活動を通じて「役に立っていないシステム」をたくさん見てきました。

間違ったシステムができるワケ

ではなぜ「中身を理解しないまま、間違った理解のまま」マネジメントシステムができてしまうのでしょうか。

その大きな原因の一つは,ISOが(特に日本語訳が)とても難しい言葉で書かれていることではないでしょうか。

ISOの規格は頭がとても良い人たちが作ったものなので、私のような凡人にはその考え方が理解し難いことがままあります。

さらにISOは国際規格なので、全世界のいろいろな組織の人が利用します。なので、それらすべての人に適用できるようにするため、どのような組織でも誤解を与えないように,一見するととてもあいまいな言葉で書かれているように思えます。

そのため、言葉が持つ本当の意味が理解しづらく,十分にその意図を掴めないまま仕組みづくりを行ってしまいがちなのです。誤解を与えないように言葉を選ぶことでかえって誤解を生んでしまっているとは皮肉な話ですね。

そうして間違った仕組みができてしまうと、本当はやらなくてよいことをやらなくてはいけなくなってしまいます。そのくせ,本当にやらなくてはいけないことが後回しになっていたり。

そうなってしまってはISOはメリットよりもデメリットの方が大きくなり「役に立たない」ものになってしまいます。

なのでISOの利用者が正しく理解できるように、講習会や解説本などで解説してくれる人たちがいるのですが、この人たちもまた頭の良い人たちなので、使う言葉や言い回しがアカデミックでこれまた難しい。

話を聞いたり文字を読んでいるうちに頭がオーバーフローしてしまうことも多々あります。

凡人が解説すれば解りやすいのでは?

そこで凡人の私が優れた師に師事しながら苦節四半世紀をかけてなんとか理解したものを,凡人なりの言葉で分かりやすくお伝えすれば,きっと皆さんの理解の手助けになるのではないかと思いました。

幸い、私は師に恵まれ、その方々から直接話を聞くうちに何度も「目からウロコが落ち」そのたびにISOの本質に近づいていくことができました。

それでもまだまだです。ISOは一種の経営哲学的な意味合いも持っているので、とてもとても凡人の私には極めることなんてできません。

でも、師の教えと四半世紀の経験を伝えることで,これからISOを始める人や、現に今、ISOで悩んでいる人苦しんでいる人の役に立てると思います。

そこでこのブログを起ち上げ,そんな皆さんにISOを正しく理解してもらおうと考えました。

ただし、それはISOの考え方や意図をお伝えするものであって,ISOの中身(要求事項)を正確にお伝えするものではありません。

ですからISOに詳しい方が見たら「厳密にいうとそれは違う」というところが多々あると思いますが,そこはひとつ大目に見ていただきたいと思います(明らかに間違っているところがあればご指摘ください)。

ISOの意図を読み取ればしめたもの

でも,ISOの考え方や意図が理解できれば,なんとなく「ああ,ISOはこういうことをやれと言っているんだな」ということがわかってくると思います。

そうなればしめたもの!ISOが面倒くさいもの,役に立たないものではなく,むしろ会社にとって必要なものになってきます。

ISOの要求事項を正確に知りたい方は,別途,審査機関やコンサルタントのサイトなり解説書なりに詳しく書かれていますからそれを読んでいただくと良いと思います。世の中にはとても勉強になるサイトや書籍もたくさんあります。このブログもそういったものと併用していただければ嬉しく思います。

また,ISOの規格は必ず読んでください。ISOはその規格に書かれていることがすべてであり,それ以下もそれ以上もありません。このブログだけでなく参考書やセミナーは「理解を助けてくれるもの」であり,ISOそのものではありません。あたりまえのことですが「ISOを読まずしてISOを語ることなかれ」です。

と,いうことで,読んでくれた方がISOについての誤解を解き,少しでも理解を深めてくれるようにこれからも「正しいISO」の情報を発信していきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします!

このブログで使われる用語について

・ISO:ISOが制定したISO9001やISO14001などのマネジメントシステム規格を単に“ISO”と表記することがあります。もちろん“ISO”は「国際標準化機構」のことですが,毎回「ISOが制定したマネジメントシステム規格」と書くと読みづらいので”ISO“と書く場合が多々あります。

・会社,企業:ISOは民間企業だけでなくどのような形態の祖s気にも適用できるように作られていますので,規格の中でも「組織は」という表現をしています。しかし,このブログを読まれる多くの方はおそらく民間企業の方だと思いますので,馴染みやすいようにあえてブログ中でも「会社」や「企業」という言葉を使っています。

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